「質点と場と確率解釈」 質議・討論





Q1
 

A  





 電子は素電荷 e の固まりである。電子の1体問題をやるのに波から出発するのはおかしくないか。まず半端の電荷が見つからないことの説明が必要である。
 電子が質点であるという視点からはそうなるが、量子物理入門では電子は「波」から入り、あとになって素電荷が出てくる、としたい。素電荷の存在は場の第2量子化の必要性に本質的ではないと思う。電荷を量子化するだけなら、どっちの統計でもよいのである。素電荷は、電荷の「観測の問題」ではないか。これならすべての粒子が等しい電荷をもつことも説明できる。


Q1再
A  





 最後のくだりの意味がわからない。
 電子も反陽子もすべての素粒子が等しい電荷をもっている。質量は全く異なるのに。このことはたまたまそうなったでは済まされず、意味づけが必要である。素朴な1案は、素電荷の素(もと)をもった超素粒子があり、それがすべての素粒子に入っているとすること。別の案として、電荷の測定は e の整数倍しか拾えないとする(そうなら半端電荷などは決して見つからない)。これで無矛盾の体系が作れるかはわからない。


Q2
 
 
A

 
 

 |ψ(x)|2を実在の電荷密度とするのはつぎの点で困難である。電子の位置を測ると波がその点に収縮するが、物理量が空間を瞬間に飛ぶのは困る。
 場の古典論では粒子の位置を測るという考えはないので、問題ない。場の量子論ではこの問題が生じ得るが、稿の終わりの方で述べたように、波が瞬時に収縮することはないと思う。観測の問題は大きなテーマになるので、詳しい議論は別の機会にしたいが、実在波が収縮してはいけないが確率波ならよいと言うのはおかしい。確率波も情報をもっているのであり、情報が超高速で飛ぶのは相対性原理に反する。


Q3


A 






 電子は粒子でなく波だと主張されるが、たとえば電子顕微鏡内の電子の運動を調べるとき、波でやると電子の進路が等位相面と直交しない、などの面倒なことが生じる。粒子で計算する方がよほど簡単である。 
  たしかに磁界のあるときは、等位相面に垂直な p と mv = p + eA とは異なる。計算が面倒で、質点力学の方が簡単である。しかし、だからといって電子は質点であるとはいえない。波動物理で波長が短いときは近似的に点、線で表されるので、その幾何力学を用いればよいが、本質は波動(場)である。レンズの設計をするときは幾何光学を用いるが、だからといって光は線であるとは言わない。(「電子は質点か場か」質議・討論のQ3参照)



ー つづく ー


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